産学官の連携で松本の製造業活性化を目指す「ものづくり創造塾」(柳沢源内塾長)は、このほど開講した。松本商工会議所の技術アドバイザー事業の一環。十五日は第二回会合を松本市の松本商工会館で開き、会員らのアイデアを基に早速形にした試作品について意見を交換。“ものづくり”へ向けて本格的な活動を開始した。
利益に結びつく「売れる商品」を開発し、松本の経済を支えている製造業を活性化する目的。下請けの仕事が海外へシフトしている中、中小企業がオリジナル製品を生み出せるように、との狙いもある。メンバーは、さまざまな業種で“ものづくり”に携わる企業と県や市、信州大学などの支援メンバーで構成する。開発は将来性のある医療・福祉と環境の二分野にしぼり、月一回の会合を重ねて一年間で一つ以上は商品化することを目標としている。
この日の会合では、松本市の指定ごみ袋にぴったり合うサイズのごみ箱や身体障害者用のつめ切り装置の試作品を検討。実際の品を手にしながら課題として価格を抑えるための部品の工夫などを話し合った。また、新たな案としては活性炭を活用したものづくりやJR松本駅前で問題になっているムクドリの飛来防止装置についても話を進めた。
柳沢塾長は「小さくても売れるものを作り、焦点の当て方を勉強できれば。やればできるという刺激を与え、製造業全体の活性化につなげたい」と話している。