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2003/08/06 日本経済新聞
信州をつくる ものづくり創造塾 異業種集い商品開発
2003/08/06 日本経済新聞に掲載されました。

 長野県松本市で今年四月、「物を作り売る」ことを前提とした異業種交流会「ものづくり創造塾」が産声を上げた。月に一度の会合で一つ以上の「新製品」開発に着手する。初回に提案された「一般家庭用廃プラ減容箱」はほぼ開発が終了し、現在売り込み方の検討に移っている。

 創造塾の結成を呼びかけたのは、石川島芝浦機械出身の松本商工会議所の技術アドバイザー宮阪徹士氏。

「全国には三千の異業種交流会があるが、勉強会にすぎない団体が75%」と説明する。従来型の量産事業が海外に移る中で、製品開発型の交流会でも「結果がいつ出るかわからない所が多い。その前に経済がどん底に落ちてしまう」と危機感をあらわにする。

 創造塾は機動性のある異業種交流会を作ろうと、松本市内の旧知の中小企業経営者八人を集めた。塾長は一人乗り超小型ヘリコプターの開発で知られるエンジニアリングシステムの柳沢源内社長、福塾長は日本酒の量り売りや生産者持ち込みのコメでの日本酒醸造などを試みてきた笹井酒造の笹井俊一相談役を選んだ。鉄工業、板金、特許取得支援、ソフトウエア開発などの企業経営者をメンバーに、支援メンバーとして松本市職員や信州大学の教授を加えて構成する。

 塾ではメンバーの一社が材料費、試作費、製造と販売のリスクを負い、他はボランティアで意見を出し合う。初会合で二件のプロジェクトが動き出した。一つは手が不自由な身体障害者用つめ切り。足元のペダルを踏むと、ワイヤでつながれた卓上のつめ切りが動く仕組みで、メンバー外の発明者が創造塾に商品化を依頼した。デザインやコストなどを検討し、既に十台の試作機を作った。

 もう一件は冒頭のごみ箱。プラスチック製で松本市の指定ごみ袋がぴったり入るサイズ。工夫を凝らしたのはふたの形状。水平状態から下に開く構造として、プラスチックごみを捨てるたびに中に押し込むようにした。ただ、試作品では一個二千円で売らないと材料費も稼げない。メンバーのアイデアでふたに留め金やちょうつがいを使わずに素材の性質で開閉させる方法を検討。段ボール製品を手掛けるメンバーの上條紙工が一個千円程度で販売しても粗利益が出る仕組みを作った。

 「売れてなんぼ」と柳沢塾長は強調する。「どんなにいい物を作っても、もうからなければ意味がない」。産学官の異業種交流会だが、筋金入りの中小企業経営者らが中心となり、ビジネスのシビアな感覚を持ち込んでいる。

 炭化した竹の風鈴、ノンアルコールの日本酒、入ったら音がする視覚障害者向けの輪投げマシン……。開発案件は途切れることなく持ち込まれる。まだ本格的な商売には結びついた商品はないが「どこの瓢箪(ひょうたん)からコマが出るか分からない」と柳沢塾長は意気軒高だ。中小企業経営者の意欲とユニークなアイデアを武器に、販路開拓にチャレンジしていく。

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